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2014年10月14日 (火)

183 築年数のさらなる意味

見方を変えると、築年数は、建物の医療費、つまり修繕費が増えることの
目安なのである。
 しかし、居住者の収入レベルは下がっている。中古で有れば値段は下がる。
すなわち、新築分譲時の購入者よりも、中古として購入した人の収入は低く
なっていると考えるのが自然だろう。そして、築30年を越えれば、年金暮
らしなって居る人は増えてゆくはずだ。そして、高齢化に伴う問題が、当然
表に出る。
 繰り返しになるが、人も住まいも、年々医療費は増えてゆく。対応策は、
ない。カネの切れ目は、マンション生活の切れ目となる。すべてのマンショ
ンは、この結末から逃れることは出来ない。 
 さて、それでは、こういう結末は、毎日の管理人業務にどう影響するか。
 まず、誰しも、結末へ向かって進んでいる自覚はない。最初は、下り坂と
は言っても、緩やかすぎて下り坂なのが分からないからだ。
 視点を変えていきなり結論を言えば、管理人としては、いつしごとを辞め
るか先ず考えることが必要になる。マンション管理人は、男子一生の仕事、
などではない。別の現場に移ればまだ続けられるかも知れないが、それは、
現場が変われば、築年数も違うからだ。
 居住者と違って、管理人には、辞める、という切り札あるいは特権がある。
すなわち、管理人は、逃げることが出来る。
 もちろん、辞めたら来月から収入がなくなるだろう。次に良い仕事が見つ
かる保証はない。しかし、それも、じつは、辞めたタイミング次第だ。無い
か有るか、はそのときでないと、辞めてみないと分からない。有るという保
証はないが、無いという根拠もない。運命に任せるのみ、である。
 脱線が長くなったが、築年数は、居住者が何をどこまで自覚しているかに
よって天地の開きとなることを示す。そして、自覚すべき事は年々ふえてゆ
く。すなわち、築30年ということに基づく問題を誰も自覚していなければ、
まともな話は難しい。ならば、自覚していない人と真面目に話すことは無理
だから、そういう居住者からは、逃げるしかない。管理人は、そういう人か
らは、逃げなければならない。
 ついでに言えば、逃げる、というのは、正当な対応であって、卑怯でも何
でも無い。東電、政府、管理会社、管理組合、みんな逃げているはず。なら
ば、管理人だけが逃げない方がおかしいだろう。
 すなわち、管理人はいつどこで逃げるかを常に考えて仕事をしなければな
らないが、其の基準が、築年数なのである。
 築年数と収入水準の開き、修繕積立金の多寡と修繕の頻度との開き、そし
て何よりも自分たちの歳、そのようなことをどこまで居住者は自覚している
か。どこまでどの程度自覚しておくべきか。それの基準は築年数。
 すなわち、築年数と居住者の自覚のレベルは釣り合っているか、それが、
管理人は逃げるか留まるか、のひとつの判断基準なのである。



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