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2014年4月14日 (月)

159 目視ということ

話が路地に入ってしまうが、成り行き上、まず、目視、ということから考
え始めよう。
 目視、とは眼で見て確認することだ。しかし、何のために何を見るのか、
が分かっていないと、巡回も単なるお散歩で終わる。
 せっかくだから脱線すると、お散歩、とは何も気がつかないと言うことで
はない。廊下に置かれているものは眼に入る。お散歩でも、よその家のあら
は目につくものだ。つまり、マンションの規則に反して廊下に何かを置いて
いたり、ベランダに置いてはいけないものを置いているようなことは眼に入
る。しかしそれらは、居住者のマナーの問題で、建築設備とは無関係だ。と
ころが、管理人の巡回の目的は、そういうことのチェックと勘違いしている
居住者の方が圧倒的に多いだろう。管理人はちゃんと巡回しているのか、注
意しているのかという苦情がまさしくその勘違いの結果だ。
 かといって、見てしまったものを見なかったとは言えないと思うなら、そ
れは管理組合につたえるしかない。いや、伝えるだけでよい。
 目視の対象は、建物そのもので、居住者のマナー、生活ぶりではない。目
視の目的は、不具合箇所の把握のためだ。
 しかし、これだけでは、具体的に、マンションのどこを見るのか見当もつ
かないだろう。
 まず、目視、つまり見るのは、見えるのは外見だけである。これは当たり
前のようだが、は実は重要な基本だ。たとえば、壁のひび割れ部分が鉄さび
色に染まっていても、内部の鉄筋の腐食の程度など分かるはずもないし、判
断しなくてよいということだ。さび色になっている、その報告で十分。それ
以上は管理人の巡回という仕事の範囲外、と言い切る、それが、あるべき、
巡回なのだ。
 建物は必ず劣化する。これは誰でも分かるだろう。塗装は色あせ、ペンキ
はいずれ剥げ落ち、ひび割れが出来る。しかし、進行はゆっくりだ。大地震
の後ならともかく、ひび割れが、一日ごとに1センチ拡大する、などという
ことはない。すなわち、いわゆる劣化による外見の変化については、発生し
た時を確定するのは不可能である。また、進行を確認することも不可能。
 その意味では、巡回時の目視で発見することは不可能、とは言わないが、
可能性は低いと考えてよい。というより、劣化発見の手がかりはまだあるの
で、巡回の目視ということは、それほど神経質にならなくてよい。眼に入ら
なくても、次の時は気がつくかも知れない、という割り切りでよい。
 ようするに、巡回時の目視による発見は運任せ。だから、一日二回とかの
回数が必用、という理屈になるのかも知れないが、実は逆。単にノルマをこ
なすだけの巡回、時間に追われての巡回で見つかる可能性は低い。巡回とは、
言ってみればあら探し。ならば、実は、ペースとしては、お散歩ペースがベ
ストなのだ。回数ではない、と今は言っておきたい。


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