« 112 事務の始まり | トップページ | 114 管理日報 »

2013年4月28日 (日)

113 管理とは書類作り

事務とは管理のことだから、事務に書類はますます不可欠となる。話すと書
くはどう違うか。話す、は相手が居てくれなくては出来ないが、書く、ので
あれば、そのとき伝えたい相手は目の前に居なくても良い。すなわ
ち、言葉はそのとき限りで消えるが、文字なら書類がある限り残から、いつ
か読んでくれれば良いのだ。もちろん、こちらが伝えたい事が、どちらが正
確に伝わるのかどうかは全く別の話だが。
 それはともかく、具体的に書類を見てゆこう。まずは、一番身近な、管理
日報から。
 なぜ管理人は日報を書かねばならないのか。改めて考えたことはないかも
知れないが、管理とは書類書き、と言えば疑問は氷解すると思う。水漏れな
どの不具合修理やリフォームは、修理できたのかどうかの結果が誰の目にも
分かる。しかし、巡回点検となると、目に見える結果がない。巡回に同行し
ても、管理人はどこを見ているのか、見てどう判断したのか、たぶん、同行
者には確認できないと思う。したがって、結果は目に見える形で作り直さね
ばならない。それが、毎日書くことになっている日報なのである。
 つまり、きわめて単純に考えるなら、管理人にとってのマンション管理と
は、今日も一日管理をしましたよと伝える管理日報を書くこと。だから、日
報をきちんと書いている管理人は、きちんと仕事をしている管理人、という
わけだ。もちろんそんな理屈は、机上の空論と思うだろうが、しかし、実は
絶対の事実である。したがって、やや脱線するように聞こえるだろうが、日
報作成などの事務作業がきちんとできない管理人は、一般的なイメージでの
管理人業務もきちんとできていない。これは冷厳な事実である。
 より一般的には、法定点検、定期点検も同様。必ず報告書という書類を作
る。報告書を作るために、現場で確認するだけ、と言うと、本末転倒に聞こ
えるかもしれないが、決してそうではない。それで正当なのである。もっと
言えば、いわゆるお役所は、書類がすべての世界ではないか。
 ようするに、マンション管理も、書類から始まって書類で終わる。少なく
とも、書類つまり日報を書く、あるいは書類つまり日報に本日も異常なしと
書き込む事でその日が終わる。その意味では、工場現場の業務などだけで、
事務経験の無い人が定年後に管理人を始めた場合、異常なしと書き込む退屈
さに慣れるまで、人より苦労するかも知れない。
 管理人の毎日は、何かあっても、なかなか言葉にはできないこと、伝えに
くいこと、記録できないことが多い。しかし、記録できなければ、すべては
無かったことになる。トラブルも苦情も、無かったことになる。ここがポイ
ントだ。
 そしてそれは、逆から言えば、何もなかった、異常なかった、という報告
書類を作るのが、管理という仕事の正体、という意味になる。その意味では、
いわゆるお役所仕事というのは、理想のパターンなのだ。何もなかったこと
にするから、世の中が回ってゆく。東電のフクシマ対応での発想も、まさに、
どこでもあることなのだ。なにもなかった、というのがいかに大切か、それ
を実感できるのが管理人の仕事でもある。

にほんブログ村 住まいブログ マンション管理へ

« 112 事務の始まり | トップページ | 114 管理日報 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1440548/51406468

この記事へのトラックバック一覧です: 113 管理とは書類作り:

« 112 事務の始まり | トップページ | 114 管理日報 »