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2012年12月28日 (金)

097 清掃という演出

既に述べたように、清掃というのは、見える、ということである。そして
それは、見せることが出来る、ということである。すなわち、見せることが
出来る事が清掃の本質で、このことは絶体である。
 したがって、清掃の核心は、何をどう見せるか、なのであって、ちり一つ
落ちていない、とか、どこもかしこもピカピカにすることにこだわると、む
しろ迷路にはまり込んでしまうと言っても良いのである。
 見せることが出来るのは、まず清掃作業をしている管理人の姿である。見
せるためなら、誰もが必ず通るエントランスの清掃を、出入りの多い時間帯
にやれば良いことになるが、そこまで露骨にやる必要は無いだろう。
 ここで強調しておきたいのは清掃用具のことだ。居住者の目に着くのは、
実は管理人ではなく用具のほうだ。例えばガラスを布で拭く場合。真っ白な
布と、汚れがしみこんでねずみ色になった布で拭く場合を想像してもらえば
良い。たとえ、毎日洗っていても、変色した布であれば、きれいな布で拭け
ばきれいになるが、汚い布で拭くとむしろ汚れる、と誰しも思うだろう。モ
ップの毛も同じ事だ。正しいモップの使い方を知っている居住者はまず居な
い。したがって、真っ白な毛のモップを使うなら、床をなでているだけでも、
きれいにしているように見える。
 したがって、清掃用の布や、モップの毛は、使用後は頻繁に漂白しなけれ
ばならない。箒やチリトリも同様。すり切れて歯抜けの串のようになったり
短くなったシダ箒、泥まみれのチリトリも、あれで本当にきれいになるのか、
と疑問を抱かせる。
 どんな芝居でも、小道具は必要だ。そして、小道具の整備は完璧でなけれ
ばならない。見せる、というのは、やっているふりをすれば良い、というよ
うな低レベルのはなしではない。見せるのは、むしろ小道具なのだ。ここ
を勘違いしては意味が無い。
 ここまでくれば、管理人の制服も同様だと気がつくだろう。きちんと洗濯
された制服を着て、真っ白な布で拭く、それだけで良い。常にそうすること。
それは簡単なコトかどうか、その場限りの単なる演技と違うことは、実行、
そして継続しようとすればすぐ分かるだろう。
 さらに、蛇足を言えば、清掃とは、管理室に居ない、ということを見せる
ことでもある。居ないことを見せる、と言い換えても良い。
 逆に言えば、管理室でコーヒーを飲むときも、見えないように心がけた方
が良いのではないだろうか。たかが、見える、見せる、と言うなかれ。奥は
深いのである。

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