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2012年10月28日 (日)

089 あるべき、の意味

マンションも建物だから、誰かが管理しなければならない。だから、マン
ションには管理人が必要、と思うのが普通かもしれない。
 しかし、この思い込みには、実は途方もない飛躍がある。
 管理、というのは、権限を前提とすることはすでに述べた。会社組織を考
えてみるとわかると思うが、支店や営業所の建物設備の管理は本社あるいは
本部で一括で管理しており、建物ごとに完全な権限を持っている管理者が居
るわけではない。逆から言えば、管理者は現場毎である必要はないし、現場
に張り付いている必要もないのである。
 その論法で逆から考えると、いわゆるマンション管理人とは、マンション
という建物の管理のために配置されているのではない、ということになる。
管理人は、管理、という言葉が含まれているのにもかかわらず、なんの権限
もない以上、管理者ではない。ようするに、最初から世話人なのである。そ
う考えると、すべての現実の矛盾は氷解すると思う。
 では、なぜ、最初から世話人と言わなかったのだろうか。管理人、という
言葉が、アパート、下宿、寮、社宅の時代から聞き慣れた言葉だから、だろ
う。住み込み管理人、というスタイルは、その歴史の名残と考えられる。
それは、いわゆるタワー、あるいは500世帯を超える規模では、24時間
管理方式ではあっても、断じて住み込み方式でないことでわかると思う。
 言葉の問題は、きわめて重要だが、しかし、今後は管理人ではなく世話人
と言え、などと主張するものではない。これもすでに触れたが、ようするに、
管理会社がなんのために人を配置するのか、別な言い方をするなら、管理会
社はどんなサービスで稼ごうとするのか、の問題なのだ。そして、言うまで
もなく、肝心なことほど、きわめて曖昧なのである。
 もっと具体的に言えば、居住者の高度な?(実は単なるわがままの)注文
に応じられる人には、それにふさわしい待遇が必要、ということだ。管理人
の給料で、世話人としての業務までしてくれ、というのは虫のよすぎる話な
のだ。
 とすれば、管理人は、管理人の給料にふさわしいレベルの仕事でよい、と
考えざるを得なくなる。あるべき管理人、とは、どこまでするのか、それ以上
はしない、できない、というその線引きを自分自身が考える、という考え方
である。はっきり言えば、CSなどという横文字でごまかさずに、居住者に
よろこんでもらただけ給料に反映させるべきだ。給料に反映しないなら、余
計なサービスは無用。あるべき、とは、実はそれだけの話なのだ。
 管理会社は、給料、という形で、レベルを指定している。それを具体化す
るのが、現場の役割なのである。そしてそれは、やらない、ということに他
ならない。その観点から、現実を検討してゆきたい。

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