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2012年8月 7日 (火)

078 管理委託の前提

 さて、それでは、マンション管理、を実際に行うためにまず必要なものと
は何か。資格ではない。だれに、たとえば、管理組合の自主管理か、管理会
社にまかせるか、でもない。他人に任せるときに、なによりも必要なのは、
権限委譲なのである。
 内部は専有部分に区分されていても、建物としては一つなのだから、専有
部分単位ではなく、一つの建物として管理しなければならない。したがって、
管理を担当する者には、全体として事を進める権限がなければ、管理、は出
来ない。
 しかし、いうまでもなく、居住部分は、区分所有されている。
 つまり、雑排水管清掃の例のように、区分所有権は、管理の妨げになる。
 すなわち、マンション管理のレベルを上げるためには、命令権と、執行権
が必要なのだ。しかし、区分所有者が、他の居住者、管理組合、或いは管理
会社や管理人に、自分に対する命令権、執行権を認めるはずがない。区分所
有権は絶体、と思ったからこそマンションを買ったのだろう。
 そのために、マンションとは、管理が必須の住居で有りながら、もっとも
管理の実を上げにくい仕組みになっている。誤解を恐れずに言えば、マンシ
ョンの管理というものは、端から成り立たない空論、と言っても良い。
 もちろん、総会で決議して、行政や司法の執行をもとめることは出来る。
しかし、決定が出るまでは、何年でも管理を中断する事になりかねないが、
その間も劣化は進行する。だから、決定したら、3日後には実行出来るよう
でなければ、管理、の実効性が無い。命令権、執行権が必要、というのはそ
の意味だ。
 実際には、それなりに協力する居住者が多いから、そこそこの管理は出来
るわけだが、レベルは知れたものでしかないのは当然だろう。それよりも、
区分所有権を強硬に振りかざす人がたまに居るとしても、それは、マンショ
ンという仕組みからすれば全く正当で、マンションという仕組みの欠陥を体
現しているに過ぎないから、クレーマーとみなすだけなら、ますます解決が
出来なくなる。
 すなわち、マンション管理には、命令権、執行権が絶体だが、区分所有権
とは両立しない。とすれば、現実がそうであるように、居住者が、自らの区
分所有権の主張を控えることしか道はない。
 したがって、マンション管理とは、居住者が、自分の権利をどこまでガマ
ンするか、というレベルで決まる。
 つまり、マンション管理とは、まず管理が必要なことを正しく理解して、
その次に、居住者が、区分所有権、要するに、自分の権利と希望をどこまで
ガマンするか、ということで成り立つのだ。だから、管理、ということを正
しく理解できるなら、ある程度のガマンの必要性もそれなりに理解されるは
ず、と仮定して、それを出発点とするしかないのである。

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