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2012年8月14日 (火)

079 管理は30年後

すなわち、管理会社・管理人はもとより、管理組合にも、全体的な問題
についての命令権がないことが、マンションという建物と付属設備の管理を
不十分なレベルで終わらせてしまうのだ。この対応策は、区分所有権の主張
を控えることしか道はない。簡単に言えば譲ることだ。
 そして、譲ることは決して不可能ではない。ただし、現実的な条件がある。
築年数、あるいは居住年数である。たぶん、30年は必要だろう。 
 30年という時間の意味は何か。築30年となれば、汚れや劣化、痛みが
誰の目にも明らかだから、補修の必要性は誰の目にも明らかになる。中古と
して購入したため、居住年数は一年の人でも、経年のよごれ、劣化はわかる
だろう。限りある修繕予算では、普通はもう補修が追いつかなくなっている
はずだ。
 もちろん、何回か、大規模修繕を経験すれば、修繕とその効果ということ
を経験しているはずだから、管理の必要性はそれなりに理解しているはず、
と期待できる。つまり、30年という年月は、管理の必要性を理解してもら
うために必要な年月、という意味だ。露骨な言い方をするなら、居住者が
いくら鈍感、脳天気でも、30年たてば気がつくだろう、ということだ。
 もうひとつの意味は、そのマンションでの生活をきちんと考えない人をふ
るい落とす、という効果だ。30年という時間は、居住者の収入、つまり生
活レベルを変える。家族構成も変わる。仕事と家族構成が変われば、住み替
えするだろう。また、管理費が負担できなければ出て行くしかない。
 そして、譲ることができない人は、30年以上同じマンションで暮らし続
けるのは難しいはずだ。だから、残っている人は、譲ることが出来るはずだ。
もちろん、落ち着くまでは、様々なトラブルで苦労するだろう。管理組合が
総会の議決を得て法的措置を執行するかもしれない。しかし、やむを得ない。
結果からすれば、トラブルも選別の手段なのである。
 なによりも、そのマンションで30年の生活経験を身につけた上で、とい
うことが一番大事なのだ。譲れるだけでなく、そして、問題が起きたら動け
る、ということでなければ意味が無いから、単なる控えめな人、ではダメな
のだ。ガマンしているだけでは、30年保たないと思う。それも、経験して
学んでもらわねばならない。
 その二つの現実を前提にすると、マンション管理とは、築30年経過して
からの話、といわざるを得ない。居住者が、30年の風雪に耐え、時間の流
れに鍛えられ、学んでからの話なのだ。
 いずれにしろ、管理、の問題の本質は、マンションという仕組みの問題に
左右される事である以上、居住者の自覚次第なのだ。

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