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2011年9月14日 (水)

035 箱から建物へ

居住者は、箱、ということはよく分かっている。マンションを買う、という
のは、建物全体を買うのではなく、そのなかのある一つの箱を買うことだから。
箱は単独で空中に浮いているわけではない。しかし、居住者が、箱だけでなく、
建物そのものに関心持つようになるのは10年かかるだろう。いや、10年で
は無理かも知れない。それでも、15年たてば、第一回の大規模修繕は経験し
ただろうし、マンションで生まれた子供も中学生にはなっているだろうから、
建物に関心持つ位の余裕はうまれる思う。
 言うまでも無いが、基本は建物であって箱ではない。箱を集めて積み上げた
ら建物になるのではない。それは、マンション全体での電気、ガス、水道等の
容量は、巣箱毎の要領の単純合計ではなく、遙かに小さいことを確認すれば分
かる。共同生活、共有生活なのだ。
 それはさておき、15年、或いはさらに長くて20年後にば、建物への関心
が当然に高まると言うことではない。 やはり、何らかの手助けが必要であろう。
 ある意味では、それが管理会社、管理人の役割、と言ってもよい。全ての居
住者が、同じレベル、同じ方向で関心持つことはあり得ないだろう。したがっ
て、無関心、非協力的な居住者は必ず居るが、全く気にする必要はない。そし
て言うまでも無いが、居住者個人よりも、管理組合がどの程度関心を持ってい
るか、が問題なのだ。無関心な居住者が、くじ引きか、順番かで管理組合の役
員になった場合、やはりそのままだろう。しかし、役員、と言うことでアプロ
ーチは出来る。そして、それでよいのだ。それを15年、20年と積み上げて
ゆけばよい。
 管理組合を活発化させること、それは管理会社のレベルアップそのものに他
ならない。管理組合を育てられないなら、それは管理会社自身も成長できない、
ということなのだ。巣箱から建物へ、と管理組合の関心がレベルアップするよ
うに育てる過程こそが、トラブル防止、トラブル対応のノウ・ハウの蓄積過程
でもあるだ。現場の管理とは、現場の管理組合の関心レベルの成長管理のこと
だ。それが出来なければ、名のある管理会社に値しない、と言っても良い。現
場管理を管理人や、担当者に丸投げしている限り、名のある管理会社を目指す
ことは無理だ。
 したがって、密かに対応の練習をしている担当者や管理人は、可能性と条件
の良い管理会社への転職を考えるべきだ。なにもわからない管理会社は、実は
転職のために経験を積むべく努力している、なんてことには全く気がつかない。
その意味では、ダメ管理会社にいることには、そういうメリット? があるのだ。
大いに活用すべきだろう。
 もう一度言えば、目的は、あくまで、管理会社自身の成長だ。そしてそれを
実現するための手段として、管理組合の成長の手助けが一番良い、と言うこと
なのだ。管理組合の成長を手助けするのは、あくまでも手段であって、目的で
はない。箱か建物か、の問題の意味は、そのバロメーターと言うことなのだ。

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