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2011年9月 7日 (水)

034 箱

マンションとは何か。建物だ。もっとはっきり言えば、箱、いわば巣箱の集
合体だ。そして、ディベロッパー、分譲会社は、要するに箱売り屋。これは決
して軽蔑して言うのではない。箱という視点が肝心なのだ。
 箱、というのは、建物のなかの、本当に限られた一部分でしかない、という
意味だ。これも、一見自明。しかし、事はそう簡単ではない。お互いに、どこ
の誰とも分からぬ人たちが集まって一つの箱集合を作る。これはすごいことだ。
たまたま同じバスに乗り合わせた人たちが、乗り合わせたというだけで仲間に
なれるだろうか。なろうというのがマンションだ。したがって、居住者の集ま
りが機能し始めるのには、10年は必要かも知れない。
 そのことは、分譲業者は説明しない。それなら考え直そうか、となっては売
れなくなるからだ。すなわち、マンション居住者というのは、実は何にも説明
うけず、何にも知らない人だろう。
 もちろん、みんな、箱集合の仲間なんてことに関心ないだろう。しかし、そ
うだからこそ、伝えねばならない。管理人の隠された一番大きな仕事というの
は、実は、居住者の教育なのである。これがうまく行かないと、管理というこ
とがスムースに流れない。
 居住者の教育は、本来は管理会社の仕事であろうが、実行する意志も能力も
ないであろう。かくして、やる気がある管理人の独壇場になるわけだ。
 プライバシーというのは、没交渉、ということではないが、勘違いしている
人が多いと思う。プライバシーというのは、ドアの中のことには立ち入らない、
という意味に過ぎず、ドアの外の共用部は連帯責任になる。つまり、没交渉ど
ころか、連帯なのだ。しかし、ディベロッパーは、没交渉という意味でプライ
バシーと言って分譲した。これの尻ぬぐいは容易ではない。管理会社も苦労す
るわけだ。
 いずれにしろ、箱あっての生活。ならば、箱そのものに関心を持ってもらう
のが筋ではないか。方法はいろいろあるだろうが、例えば、マンション見学会。
子供の興味をそそるつもりなら、マンション探検会。普段立ち入れない機械室、
設備、特に地下とか屋上は子供たちは夢中になるのではないか。そこまで行か
なくても、全階巡回でも良い。自分の住んでる階以外はまず行かないだろう。
用もないのにうろうろするわけにも行かない。階が違えば眺めも違う。それだ
けでも良いのだ。別に特別な設備など無くても、階と向きが違うだけで、日当
たり、風当たり、従って劣化もすべて異なる。まず、そう言うことを自分の目
で見てもらうことが大切なのだ。箱は外観のことでもある。だからこそなのだ。

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