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2011年8月14日 (日)

031 研修で明言すべきこと

 研修とは何か。それは技術ではなく精神的な面を目的としたもの、と言える
だろう。システム或いは機器操作の説明や習得の時は、研修ではなく、講習、
と言うはずである。
 つまり、管理員に対する新人研修とは、要するに管理会社の考え方を知って
もらうためのものだ。一言で言えば、こういう風にして欲しい、という希望を
述べているだけで、現実のマンション管理の実態を述べているものではない。
もちろん、マンションの管理パターンは少なければ少ないほど効率的であるか
ら、管理会社は統一しようとしている。しかし、細部にわたっても統一なんて
不可能なのは、管理会社自身がよく分かっている。管理委託契約というのは、
管理組合という相手があり、管理会社の一存では無理だからだ。したがって、
実例、として説明、報告されていても、数あるマンションの中のある特定のマ
ンションでの事例に過ぎず、全てのマンションに該当することではない。まあ、
ほとんどの人は、適当にしか聞いていないし、終われば忘れてしまうから実害
はまず無いが、時たま本当に現実と信じる人がいる。そのひとは、フィクショ
ンなどとは夢にも思わず、研修での説明を現実と信じて赴任したら、そんなこ
とは説明してくれなかった、話が違う、とショックを受けることになる。
 そんなショック受けても、いずれは現場に順応してゆくのだが、その課程で
大事なことを見落とす可能性がある。つまり、単に現場に慣れればよいという
ものではないのだ。慣れることではなく、何がどう他と違うのか自覚出来るか
どうか、なのである。マンション管理とは、マンション毎に全て違う、と最初
から言ってくれれば心の準備はできるだろう。しかし、研修では、正反対に、
会社として統一したいやり方を述べている。それは、研修とは新人管理員の技
能指導のためではなく、会社が勝手な理想論を述べる場に過ぎないからだ。
 現場仕事は現場に行かないと分からない。だから、研修では、会社がこうあ
って欲しいと望む管理パターンをお話しして居てるのに過ぎません、とまず明
言してくれれば、心構えが違うだろう。今のように、そういう肝心な説明は無
くても、何ヶ月か経験すれば、うすうすは分かる事だが、しなくても済む戸惑
いは、出来るだけ避けたい。なぜなら、繰り返しになるが、マンション管理、
というのは、要するにフィクションだからだ。だから、研修するのだ。
 会社の研修時の説明はあくまで理想に過ぎない。しかも、実はなんの根拠も
ない思い込みだ。そうと分かっている方が、この現場ではどうすれば会社の希
望の実現に近づけるか考え、ひとつやってみようか、と考え始める奇特な管理
人だって居るかも知れない。フィクションを現実化してくれるなんて、管理会
社にとっては望外の成果だ。やはり、本音は言うべきだろう。

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