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2011年6月21日 (火)

024 永遠なる仮住まい

マンションは、終の棲家ではなく、究極の仮住まい。そのことを一番知って
いるのも、実は不動産業者だ。そうでなければ、ホテルライク、なんて発想は
出てこない。
 マンションの集合ポストには、毎日、何社もの業者のチラシが投げ込まれる。
確率的には、一万枚まいて1件か2件 の連絡がある程度だと言う。しかし、
その1件も、チラシをまかなければ無かっただろう、ということで、ひたすら
投函し続けるとか。チラシの内容は、売りませんか、住み替えませんか、であ
るが、戸建てにはほとんどチラシの投函はないことからすれば、戸建てよりは
動きが多いからに決まっている。そしてそれは、終の棲家ではないからに他な
らない。
 資産価値、ということも戸建ての人はまず考えないが、マンションの居住者
は絶えず意識している、と言っても良いと思う。さしあたり動くつもりはない
が、もし売るとすればいくらかな、ということは気になるわけだ。自分が買っ
たときの値段と比較するのは言うまでもない。
 人間の本性と言うべきかもしれないが、居住者は、自分の住んでいるマンシ
ョンのある区画がいくらで売り出されるか関心を持つ。また、近接して新しい
マンションが出来ると分譲価格に関心持つ。考えてみれば、それは当然だ。な
ぜなら、マンションの間取りというものはほぼ決まっているからだ。同じマン
ションなら、全く同じ場合も多い。比較するな、と言う方が無理だろう。これ
では、終の棲家として静に暮らすなんて無理かも。
 もちろん、最後まで、と考えている人はいる。その理由は、自分たちが死ん
だ後、子供が処分するとき簡単だから、というまさにマンションならではの理
由だ。
 そしてそのようなことは、いずれマンションの空室が増える、ということを
暗示する。テナント募集、入居者募集、ということだ。そのとき、マンション
管理はどうなるか。それまでと同じ管理はたぶん続けられないだろう。空きが
増えれば、住んでいる人の負担は増える。年金生活者にはつらい。負担に耐え
られず、別のマンションに引っ越す人も出てくるだろう。そして残った人の負
担がますます増える、という悪循環を断ち切るべく、思い切って、無人管理に
切り替えるかもしれない。つまり、管理人という仕事も、長い目で見れば、減
ることはあっても増えることはない。規模の小さいマンションは、無人または
巡回方式になるだろう。
 しかし、実はそれで良いのだ。なぜなら、管理人の仕事は、常駐、あるいは
日勤として毎日来なければ出来ない仕事ではない。むしろ、巡回方式のほうが、
本来の管理人の仕事にはふさわしい。毎日来てくれないと困る、というのは、
実は管理人を使用人的に考えているからなのだ。
 つまり、表面的には管理人という仕事での雇用は減ってゆくだろうが、それ
は、管理人という仕事の正常化、という意味では歓迎して良いのだ。

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