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2011年5月14日 (土)

019 管理の期限

 じっくり考えればわかる事だが、マンション管理人とは限定的な仕事だ。も
ちろんそれは、管理会社の業務自体が限定的だからだ。
 マンション分譲の新聞折り込み広告ですぐ分かることだが、建設・分譲業者
は管理はしない。品のない表現をするなら、作りっぱなしで売り逃げ。もちろ
ん、社会的信用は営業成績に直結するから、瑕疵担保責任、アフターサービス
に対応する責任は果たす。しかし、そこまでだ。物理的に寿命が尽きた時のこ
とまで想定し、設計・建設している業者は無いだろう。その意味で売り逃げな
のだ。古い物件では、メンテナンスすら、考慮されていない設計が多い。
 あとの管理は、系列会社が普通だが、一応別の会社だ。マンションの管理形
態は、立地、規模、構造によって法令的にも決まるとすれば、結局それは、開
発・分譲業者が決めていることになるわけだが、事業者は、管理形態は決める
けれど管理そのものはしない。管理会社も単にそれに則っているだけだ。その
意味では、管理会社の裁量の余地はほとんど無い。また、分譲時は決まってい
ても、入居者に管理会社を変える権利はあるから、管理契約が打ち切られた時
点で終わりになる。建物から見れば、当初の管理会社は最後まで管理を全うす
る責任も義務もないことになる。その意味では、本質的に無責任だ。同様に、管
理人も、雇用契約の期限までそこで働く、と言うだけのことに過ぎない。念の
ために言えば、管理人は、管理人業務を担うのみで、管理業務を担当するわけ
ではない。ある意味では、管理会社も管理人も、誠に心細い関わりしか出来な
いのだ。
 早い話、管理会社は、本当に最後まで管理するのだろうか。スラムマンショ
ンになったら、管理は引き受けないだろう。つまり、管理費が払える間だけの
話しだ。スラム化すれば、管理会社と管理人との縁も、当然に切れる。どんな
マンションも、最後の最後は、居住者自ら管理?することになるはずだ。もち
ろん、それは40年、あるいは50年後だが。
 管理会社との管理委託契約は普通1年単位だが、そのことの意味は、スラム
化が見えてきた時に、居住者に分かるだろう。契約を打ち切る権利は、管理会
社にもあるからだ。したがって、前述の意味での、管理会社と管理人の根源的
な有期限性は、マンション生活には重要な要素だ。
 その問題に多少の変化が起きるとするなら、それは、複数年契約が実現する
ときだろう。もちろん、管理人の雇用契約に関しても同様だ。
 1年単位である限り、何も起きないのがベスト、何も起こさないのがベスト
の管理、となるのは当然のことだ。あえて言えば、事なかれ主義というのは、
マンション管理に関するかぎり、根源的な有期限性の原理に忠実と言うことに
なるのだ。管理会社は、居住者に対して、その旨を明言すべきである。

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