« 016 マンションという場所 | トップページ | 018 寿命 »

2011年4月28日 (木)

017 前提以前の前提

いよいよ、管理人という仕事そのものについて、前提を含めて順番に考えて
みたい。前提は、まず、マンションという建築物があること、マンション管理
会社というものがあること、この二つだ。
 そんなバカバカしいこと、と言う無かれ。マンションが建築物であること、
そんなことは誰でも分かる。しかし、それでいながら問題が起きる。なぜなら、
わかり方、分かるレベルは人によって違うからだ。にもかかわらず、こんなこ
とは改めて言わなくても分かっているはず、と自分を基準に考えて進むからだ。
それでは食い違いや勘違いがおきなかったら、むしろ不思議だろう。すなわち、
基本的なことだからこそ、まず確認から始めるのが、あるべき順序なのだ。
 具体的には、マンションとは建築物であるから、それに関する問題に対応す
るのには、専門的な知識や技術が必要、を前提とすることだ。そんなこと分か
っているよ、と言うだろうが、イザとなるとそう単純ではない。
 ちょっと、管理人さん、直してよ、或いは、やっといてよ、等と言ってくる
居住者は必ず居る。居住者どころか、管理組合の理事長が、そのくらいサービ
スで出来るだろう、等と迄言ってくるかもしれない。おそらく、業者に頼むと
高いけど、管理人なら払わなくて済む、という計算もあるかもしれない。さて、
そのとき、技術的に無理、と断るとしても、塗装の小さな剥がれやさびの補修
だと、出来ないとは言いにくい。たとえ小さなさび落としでも、専門家のやる
べき分野、という原則で断らない限り、応対は結構面倒になるのだ。
 実際に始めてみれば分かるが、氷山の一角と言う言葉通り、塗装が浮き上が
っている場合は、さびが浮き出ている部分より広範囲の補修しなければならな
い。やすりでこすったら穴があいたと言うこともある。つまり、穴を開けたの
は管理人だ、と言われるかもしれない。また、溶接部の場合、さび落としにグ
ラインダーを使えば、厳密には、溶接の強度に影響がある。たかが、さび落と
し、ではないのだ。
 したがって、断れずにやむを得ず、なら、まず、管理組合を主体にしなけれ
ばならない。管理組合の役員のだれかがやるなら、多少のお手伝いはやらなく
はない、ということだ。もちろん、さび落としせず、そのまま上から塗るとい
う条件だ。それを繰り返して次の塗装、または大規模修繕までつなぐしかない。
 つまり、管理ということと、補修と言うことは別の分野なのである。その管
理人が出来る出来ないという話ではないのだ。誤解を恐れずに言うなら、補修
の仕事は、たとえさび落としであろうと、門前払いが筋である。もちろん、そ
のとき居住者は怒るだろう。しかし、最初に、管理と補修の違いを確認しなか
った以上、こじれるのは当然で、それで良いのだ。そうなるべき事例なのだ。

« 016 マンションという場所 | トップページ | 018 寿命 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1440548/39782306

この記事へのトラックバック一覧です: 017 前提以前の前提:

« 016 マンションという場所 | トップページ | 018 寿命 »